#author("2017-09-29T11:29:19+09:00","default:takataka","takataka") *応用プログラミング及び実習 2017年度 第3回 おまけ課題 [#u34e1a59] #contents **課題S(おまけ課題) 締切:次回実習&color(blue){終了};まで [#ex03S] 課題Dのプログラムに,画像を縮小する機能を追加しよう. 縮小機能は関数として実装すること.ただし,関数の仕様(関数名,引数,戻り値など)については自分で工夫したらよい. 画像縮小のアルゴリズムについては,以下で解説する. ***step0 準備 [#l1fffff1] 幅 W 高さ H の画像を幅 w 高さ h の画像に縮小するとする. 縦横の縮小率は別個に定められるようにするべきであるが,ここでは話を簡単にするために同じ縮小率とする. 作成するプログラムも縦横同一の縮小率としてよい. 縮小率を &mathjax{\alpha}; で表すことにする.すなわち, #mathjax{{ \left\{ \begin{array}{l} w = \frac{W}{\alpha} \\ h = \frac{H}{\alpha} \end{array} \right. }} である(除算は小数点以下切り捨て). &mathjax{\alpha = 2}; ならば画像サイズを縦横半分にすることになる. ***step1 &mathjax{\alpha}; が自然数の場合その1 [#r65b359c] &mathjax{\alpha}; が自然数の場合,もっとも単純な方法は,画素を「間引く」方法である(サンプリングする,標本化する,という). 簡単のために1次元で考えると,元画像の画素値のならびが #pre{{ 座標 [0] [1] [2] [3] [4] [5] [6] ... 画素値 10 15 17 16 19 20 18 ... }} であり,&mathjax{\alpha = 3}; だったとすると,縮小後の画素のならびを #pre{{ 座標 [0] [1] [2] ... 画素値 10 16 18 ... }} とする,というものである. #pre{{ for(x = 0; x < w; x++){ X = x * alpha; img[x] = IMG[X]; } }} ***step2 &mathjax{\alpha}; が自然数の場合その2 [#yd29b08a] 実は,step1のように単純にサンプリングする方法は,「エイリアシング」という現象を起こすことがあるため,あまりよい方法ではない. 以下のサンプル画像を縮小してみるとわかるかもしれない. &mathjax{\alpha = 3}; で縮小してみよう. -PGM画像 [[reductionsample1.pgm>AProg:reductionsample1.pgm]] [[reductionsample2.pgm>AProg:reductionsample2.pgm]] -PPM画像 [[reductionsample1.ppm>AProg:reductionsample1.ppm]] [[reductionsample2.ppm>AProg:reductionsample2.ppm]] 縮小画像の質を改善する,いいかげんだけど最も簡便な方法は,間引くかわりに平均をとる,というものである. step1と同様に1次元で説明する. 元画像の画素値のならびが #pre{{ 座標 [0] [1] [2] [3] [4] [5] [6] ... 画素値 10 15 17 16 19 20 18 ... }} であり,&mathjax{\alpha = 3}; だったとすると,縮小後の画素のならびは #pre{{ 座標 [0] [1] ... 画素値 14 18 }} とする,というものである.ただし,(10+15+17)/3 = 14, (16+19+20)/3 = 18 である. **課題T(おまけ課題)締切:&color(blue){高橋担当の実習最終回まで}; [#ex03T] ● &mathjax{\alpha}; が正の実数の場合 &mathjax{\alpha}; として任意の正の実数をとれるようにしたい場合,困った問題が発生します. 例えば,&mathjax{\alpha = 1.5}; として step1 の方法を適用しようとしてみるとわかりますが,縮小後の画像の [1] の位置は,元の画像の [1.5] の位置に対応することになります. しかし,元画像の座標は [0], [1], ... と整数値をとっているので,[1.5] なんて位置の画素値は得られません. これを解決するには,何らかの方法で画素値を「補間」(「数値計算法」で学んだかも)する必要があります.中でも単純でよく用いられるのは,「バイリニア法(双線形補間法)」と呼ばれるものです. というわけで,この方法について調べて,任意の縮小率を実現できるようにしてみよう. また,縮小ができたらちょっと手を加えるだけで拡大もできるはずです. 任意の拡大率での拡大もできるようにしてみよう.